成年後見人であることの証明書〜登記事項証明書って何?〜

無事に成年後見人に選ばれた後に行うべき仕事として、審判の確定から約1ヶ月以内に本人の財産を調査して財産目録等を作成し家庭裁判所へ提出する、という“就任報告”と呼ばれる報告作業があります。

この就任報告の際に、金融機関等へ出向いて本人の財産調査を行う必要があります。しかし、金融機関は基本的には本人以外には情報を開示してくれません。では成年後見人であるあなたは、どうやって財産の調査を行えばよいのでしょうか?

まず、金融機関の窓口に行って単純に「私が〇〇さんの成年後見人に選ばれました!」と口頭で伝えるだけでは、何も手続きは進まないでしょう。
窓口では「後見人に選ばれたことがわかる証明書を出してください!」と必ず言われるはずです。

この「成年後見人であることがわかる証明書」を“登記事項証明書”と呼びます。今回はこの“登記事項証明書”がどのような証明書なのか?どこで取得できるのか?その取得方法は?などの詳細情報を説明していきたいと思います。

成年後見人であることの証明書〜登記事項証明書って何?〜 - 33

登記事項証明書は個人情報がたくさん

登記事項証明書はA4のサイズで、色は薄緑色の1枚の紙です。
コチラが見本になります。(後見人が3人選任されているケースですので見本にするには少し特殊ですが。。。)

登記事項証明書の見本

登記事項証明書には以下の内容が記載されています。

  • 管轄の家庭裁判所名
  • 事件番号
  • 審判確定日
  • 登記年月日
  • 登記番号
  • 本人の住所・氏名・本籍・生年月日
  • 成年後見人の住所・氏名
  • 選任された年月日
  • 証明書の発行年月日

後見される本人の住所・氏名などの情報に加えて、誰がいつから誰の後見人であるのか、という内容まで詳細に記載されています。
また公印も押されているため、これが成年後見人であることの公的な証明書となります。

登記事項証明書を取得できる人は限られている

上記の通り、登記事項証明書にはとても重要な個人情報が記載されています。そのため、登記事項証明書は誰でも取得できるものではありません。

取得できる人は、成年後見人、被後見人本人、成年後見監督人といった当事者に加えて、本人の四親等内の家族になります。
また、これらの人から委任を受けた人も代理人として取得することが可能です。

登記事項証明書が取得できる場所は法務局

登記事項証明書が取得できる場所は、全国の法務局になります。
法務局は、不動産や会社の登記情報を管理している行政機関です。成年後見人の就任も登記情報であるため、法務局にて管理されています。

ただし、全国どこの法務局でも取得できるわけではなく、本局の戸籍課という比較的大きな法務局のみでの取り扱いとなっています。支局や出張所といった小さな法務局では取り扱いがありません。

登記事項証明書が取得可能な法務局は、以下のページをご参考ください。

法務局・地方法務局所在地一覧

法務局に行き、その場で渡される登記事項証明書の請求書を記入してください。記入した請求書に、発行手数料(1通550円)を収入印紙で貼って納めます。

成年後見人や本人、後見監督人が請求する場合は、上記の請求書、発行手数料以外に、運転免許証などの身分証明書が必要となります。
代理人の場合には、運転免許証などの身分証明書に加えて委任状が必要になります。

上記に記載した必要書類が不足していなければ、15分程度で証明書が発行されます。

もし法務局が遠方であるとか、法務局に行く時間がない、という場合には、郵送での取得も可能です。
郵送の場合は東京法務局のみが窓口となり、発行手数料分の収入印紙を貼った請求書と運転免許証などの身分証明書コピー、返信用封筒を同封すれば1週間から10日程度でお手元に届きます。

「かんたん後見」では、この登記事項証明書の請求書も作成可能です。
登記事項証明書がご入用の方は、ぜひ「かんたん後見」のご利用をご検討ください。

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