国際結婚、事実婚、同性婚・・・結婚のカタチと成年後見制度

芸能人・著名人の事実婚発表や、渋谷区のパートナーシップ証明に見られる同性婚への理解促進など、結婚を取り巻く環境は大きな転換期を迎えていると言えます。
そんな中、民法上「配偶者および四親等内の親族」からの申立てに(基本的に)限られている成年後見制度は、今後どのように変わっていく必要があるのでしょうか。

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。【民法第7条】

成年後見制度の申立てが可能な「配偶者および四親等内の親族」とは

日本の法律(民法)上、配偶者とは「市区町村役場に婚姻届を提出し受理された者」を指します。

婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。【民法第739条1項】

つまり、事実婚のパートナー(いわゆる内縁者)も、同性婚のパートナーも、現時点では婚姻届が提出できないため、民法上の配偶者となることが不可能です。

また、親族とは「血縁および姻戚(いんせき)関係にある人=血族および姻族」を指すため、事実婚や同性婚のパートナーの親族は、四親等内の親族に該当することはありません。

成年後見の開始申立てが難しい事実婚や同性婚

例えば、ともに男性であるAさんとBさんがパートナーとして同性婚のような暮らしを営んでいる場合を思い浮かべてみてください。

普段は男女の結婚生活のように、双方の家族に支えられながら、毎日を楽しく過ごしています。

同性婚から40年弱が経ち、お互い70歳を目前にしたある日、Bさんに認知症が発症。今後の生活を考え、遺産として引き継いだBさんの実家の処分を検討します。

Bさんが引き継ぎ所有している不動産なので、判断はもちろんBさん自身が行うことになります。とは言え、Bさんは認知症が進み、自身で判断することができません。Aさんは成年後見制度の利用を決意し、その開始申立てをしようとします。

しかし、ここで問題が発生。

同性婚の二人には婚姻関係が認められず、配偶者という関係ではありません。そのため、成年後見の開始申立てが可能な「配偶者および四親等内の親族」にはあたらず、手続きをすることができないのです。

成年後見の開始申立てが可能な国際結婚

一方、国際結婚のケースでは、少なくともどちらか一方の国で婚姻届を出すことになります。それが日本での手続きではない場合でも、追って(外国方式の婚姻をしたことの)戸籍の届け出を日本で出すことで、婚姻関係が明らかになるため、婚姻関係を前提とした成年後見の開始申立ても可能です。

なぜ、事実婚や同性婚は法的な婚姻関係を認められない?

そもそも事実婚は、法律婚(届け出を要する婚姻関係)に対する用語なので、法律上は婚姻関係を認められることはないでしょう。
法律婚ではない以上、国が定める婚姻に関わる権利・義務を享受できないのは、現時点では仕方がないのかもしれません。
「どこからどの範囲までは法律婚としての届け出をする」など選択可能な制度・仕組みができれば変わるのかもしれませんが、ちょっと遠い未来になりそう。。

では、同性婚はと言うと、これは憲法(「両性」という言葉の)解釈で対立があるようで、今の段階では認められていません。

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。【憲法第24条】

憲法制定(1947年)から70年余が経ち、現代の環境とはマッチしない部分も少しづつ出てきているのかもしれませんが、憲法改正となると少しハードルが高くなってしまいます。
しかし、憲法にある「両性」が「2つの独立した性」と解釈することが認められれば、同性婚も婚姻の一つと言うことができそうです。

時代に即した制度構築、状況に応じた制度選択が必要

個々のケースで様々な違いがあり、一概に同性婚や国際結婚などのカタチで全てを判断することはできません。
しかし、現在の日本の法律では上記のような違いがあることは事実で、戸籍上の婚姻関係が無い場合は配偶者として法定後見制度の開始申立てができません。

同じように幸せな生活を夢見て、二人(あるいはそれ以上)で生活をともにしていても、そこにはまだ明らかな線引がされている状況なんです。

冒頭でも書いたように、結婚(を含めたパートナー関係)を取り巻く環境は大きな転換期を迎えていると言えます。様々なケースで、最大多数の最大幸福を実現できる世の中になって欲しいと思っています。

今の段階では、事実婚や同性婚をしている二人はお互いが元気なうちに任意後見制度を利用し、パートナーを任意後見受任者としておくことが老後の備えとして有効な方法の一つとなりそうです。

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