親がアルツハイマー型認知症に…財産管理はどうする?

ここ最近、著名な方が認知症を患っていることや、アルツハイマー型認知症を原因としてご家族が亡くなったことを公表するニュースを目にすることがあります。

テレビでよく見ていた人が認知症、というニュースを見ると認知症は身近な病であるということを実感します。そこから、「親が認知症になってしまったら、今後のお金の管理が心配」といった不安を抱くこともあるかもしれません。

認知症が進行すると、一人では振込み手続きが出来なくなったり、不要な高額商品を買わされたり、通帳をどこかに失くしてしまったりと、財産に関する心配事が沢山でてきます。

今回はアルツハイマーを代表とする認知症になってしまった場合、預貯金などの財産の管理にはどういった制度を利用できるのか、を見ていきたいと思います。

認知症の最大の原因はアルツハイマー型認知症

色々な病気を原因として認知症が発症します。

「認知症の発症原因」 参考 ー東京都【知って安心認知症】ー 

この表は認知症の原因となる病気の割合を表しています。

認知症はその原因によって、脳が委縮していくアルツハイマー型認知症、脳梗塞やくも膜下出血などにより引き起こされる脳血管障害認知症、大脳皮質を中心に特殊なタンパク質が現れるレビー小体型認知症、に大きく分けられます。

また、表を見ると認知症の原因の半分以上がアルツハイマー型であることがわかります。

アルツハイマー型認知症の症状としては、物事や人の名前を忘れていってしまう「記憶障害」、時間や場所の感覚を失う「見当識障害」、片付けが出来なくなったり善悪の判断が出来なくなる「判断能力の低下」が代表的なものとして挙げられます。

いずれの原因による認知症でも、成年後見制度を利用可能

成年後見制度の利用は、アルツハイマー型認知症でも、脳血管障害認知症でも、どのような原因疾患かを問いません。

本人やご家族が「成年後見人が必要」という判断をし、家庭裁判所へ後見開始申立てをすることで成年後見制度の利用をすることができます。

認知症を発症すると、本人が今まで当たり前に出来ていたお金の管理や、書類の理解が出来なくなり、周囲の家族も戸惑ってしまいます。

そのような戸惑いを解決する方法が“成年後見制度”です。本人が出来なくなったことを代わりにやってくれる人(成年後見人)を家庭裁判所が選んでくれるという制度です。

成年後見人は、本人の預貯金の管理・解約ができる他、本人名義の不動産も処分することができます。(ただし事前に裁判所の許可は必要です。)
また、本人が悪徳業者に騙されて不要な高額商品を購入した場合などに、その契約を解除することも可能です。

本人が元気なうちであれば財産管理の方法は家族信託や、財産管理契約等の選択肢もあるのですが、認知症を発症した後は成年後見制度しか選択肢がありません。

成年後見制度は、その認知症の方の症状の重さによって成年後見人、保佐人、補助人とつけられる人の権限が変わってきます。(わかりやすい!成年後見人、保佐人、補助人の違い参照)
そのため、物忘れが進んで難しい契約が一人でできないという判断能力の方から、寝たきりで病院に入っている方まで成年後見制度が利用可能です。

成年後見制度のきっかけは“預貯金の管理”

では、その成年後見人等が必要な場面とは具体的にどのような場面なのか見ていきましょう。

成年後見人等選任申立てのきっかけは以下の表にまとめられています。

成年後見人等選任申立てのきっかけ
最高裁判所事務総局家庭局公表【成年後見関係事件の概況-平成29年1月~12月-】引用

預貯金等の管理・解約がダントツ1位となっており、2位の身上監護の倍以上の件数であることがわかります。
預貯金等の管理・解約に困っているご家族が多いということですね。

ではなぜ、預貯金等の管理・解約が圧倒的な数で1位なのでしょうか?

それは振込み手続きの際に、金融機関による振込に対する本人の意思確認が厳格になっているからです。

本人の家族が、本人名義の通帳に加えて銀行印やキャッシュカードの暗証番号を用意していたとしても、本人の意思確認ができない限り振込み手続きはできないと言っていいでしょう。

まとめ

認知症を患っていても症状が軽く、家族や周囲のサポートを受けながら今まで通りの生活ができている方もいらっしゃいます。

ただ、現在の医学の力では認知症は完治する病気ではなく、少しずつ症状が進行していく病気です。
そのため、まだまだ元気だから大丈夫だと思っていても、ある日急に症状が進行して、悪徳業者に不要な高額商品を買わされて財産を失ってしまうということも考えられます。

財産を失ってからではその金額を取り戻すことは、なかなか困難なことです。
そのため、ご家族が認知症と診断された場合には、初期の頃からいざという時に備えて成年後見制度の利用を検討することが望ましいです。

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