後見人による不正を抑止する解決策として、後見支援信託に変わる手段として注目されている“後見支援預金”。
昨年(2017年)の7月より静岡県で取扱を開始したのを皮切りに、鳥取県、島根県など数県で取扱が開始されていましたが、ついに2018年6月1日より東京家庭裁判所でも取扱が開始されます!
※ただし、現時点は東京家庭裁判所の本庁のみでの取扱となっており、立川支部での取扱い開始日は調整中とのことですのでご利用の際にはご注意ください。
しかし、ネット上では上記のプレスリリース以外の記事が見当たらないため、まだニュースとして大きく取り上げられてはいないようです。
私としては「ついに!」というぐらい大きなニュースのため、取り急ぎ私から詳細を説明させていただきたいと思います。
後見支援預金は、基本的には金融機関のうち、信用金庫や信用組合で取り扱われます。
(唯一の例外として、静岡中央銀行で取り扱いがありますが、その他銀行での取り扱いは現時点ではありません。)
■信用金庫
東京都信用金庫協会に加入している24の信用金庫全てで取扱を行うとのこと。
ただし、信用金庫によって取扱の開始タイミングが異なるようです。詳しくは以下の資料をご確認ください。
※以下の画像はクリックすると拡大できます。見づらい場合には拡大してご覧ください。
2018年6月1日からは、先行して3行で取扱が開始しています。詳細はこちらの資料をご参照ください。
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■信用組合
東京都信用組合協会に参加している全ての信用組合にて後見支援預金が取扱されるわけではなく、そのうちの11行に限定されるようです。
利用できる信用組合とその取扱い開始時期は、以下の資料をご参照ください。
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後見支援信託と後見支援預金を比較すると、後見支援預金にメリットが大きいと考えています。
昨年(平成29年)の、東京都での成年後見関係事件の申立件数は5,128件となっており、これは全体(35,486件)の約7分の1もの割合を占めています。
今回の後見支援預金の取扱範囲の拡大は、よりメリットがある後見支援預金を利用できる人が増えるという意味で、成年後見制度がより利用しやくなるための大きな1歩になると言えるでしょう。
今回の東京都の利用開始にあたっていろいろと調べていたところ、東京都以外でも後見支援預金の取扱を開始していると都道府県が見つかりました。
まず滋賀県では、信用金庫3行で取扱を開始しているようです。
また、石川県内の信用金庫5行での取扱も開始しています。
同様に、沖縄県の信用金庫1行でも開始されているようです。
「後見支援預金」の取扱い開始について -湖東信用金庫−コザしん後見支援預金 | コザ信用金庫
成年後見制度がより使いやすい制度となるように、早く日本全国で後見支援預金が利用できるようになって欲しいですね!
なお、かんたん後見ではまだ後見支援預金の書類作成機能は未対応のため、早々に対応予定です。しばしお待ち下さい。