現場インタビュー1【司法書士 坂本弥さん】

当サイトでは、成年後見制度に携わる方々にお会いをしていきます。
弁護士や司法書士などの専門家や、介護の現場の方、実際にご家族の成年後見人になっている方など多岐にわたるみなさまに仕事の内容や、成年後見制度との関わり、経験談などをお聞きし、これから成年後見制度を利用しようとしている方、現在成年後見制度利用している方へ有益となる生の情報をお伝えしたいと思います。

第1回目は、成年後見業務に力を入れている司法書士の坂本弥さんにお話を伺いました。また、当サイトが運営している“かんたん後見”についてもご意見を伺いました。

司法書士は成年後見制度と関わりの深い法律家

Q.司法書士の方は、成年後見制度とどのように関わっているのですか?

坂本さん:現在、成年後見人に選ばれる人のうち、約70%が親族以外の第三者です。司法書士はそのうち1番多くを占めています。意外かもしれませんが、弁護士さんや社会福祉士さんよりも多いんですよ。司法書士は倫理や法律・医療・福祉等幅広い後見に関する知識・技能を身に付けるための研修を受け、リーガルサポートという司法書士が会員となる公益社団法人に所属し、後見人の担い手になるべく、日々研鑽を積んでいます。

Q.親族後見人へのサポートも行っていますか?

坂本さん:そうですね、ご本人のご家族が成年後見人になりたい場合、家庭裁判所へ提出する申立て書類の作成についてご依頼を受け、書類一式を作成することがあります。また、相続手続きがある、不動産の売却を控えているなどの事案が複雑な場合や、成年後見人に選ばれた方が財産目録など書類の書き方がわからないなどの場合にご相談を受けることがあります。
そのような場合、後見人に選ばれた初年度の書類作成等をお手伝いすることがありますが、一度書類の作成方法や通帳の管理の仕方(なるべく管理する口座は少ないほうがいいため、使っていない口座はまとめる等)をアドバイスするとコツをつかまれるようで、2年目以降はお一人で手続きをされる方が多いですね。

現場でのエピソード

Q.成年後見分野のお仕事をする上でのご苦労はありますか?

坂本さん:司法書士が成年後見人になるケースでは、ご家族の中に成年後見制度の利用に反対をする方がいらっしゃることがあります。反対をするご家族としては、「今まで家族の中できちんと面倒を見てきたのに、なぜ報酬のかかる専門家が成年後見人になるのか」といったお気持ちをお持ちの方が多いように感じています。
そのような場合には、時間をかけて成年後見制度や財産管理の方法についてご説明をすることで、家庭裁判所の監督の下、専門家としてきちんと財産管理等の後見業務を行い、本人の財産や権利を守るために行動しているんだ、ということをご理解頂けるように努めています。

Q.財産管理などの後見業務をスムーズに行うコツはありますか?

坂本さん:当たり前のことなのですが、会話や作業の記録をこまめに残すことですね。いつ、どこで、誰と、どのようなことについて話をしたのか、ご本人との面会の状況などについて、家庭裁判所やご家族にいつ聞かれてもいいようにデータ化して保管するようにしています。
また、面会のための交通費や後見業務に関わるコピー代等の諸費用についても、数ヶ月に一度まとめて記録をするのではなく、なるべくその日のうちに記録をするようにしています。
この“かんたん後見”というサービスには、おこづかい帳のように毎回こまめに現金の動きを入力できる機能があるため、非常に便利なサービスだなと感じています。

読者のみなさまへ

Q.成年後見人になっている方にアドバイスはありますか?

坂本さん:ご家族が成年後見人になっている場合、財産管理や、家庭裁判所への報告など、慣れない作業が多いため、とても大変だと思います。ご家族の場合は、後見業務に加えて実際の介護や病院への同行などをしているケースも多いため、一人で多くの重責を担っている方が多くいらっしゃいます。
このような重責をお一人で抱えることは非常に大きなストレスになりますので、絶対に一人で抱え込まないようにしてください。
具体的には、地域のケアマネージャーや、デイサービス等福祉施設の職員、司法書士や弁護士などの専門家に、困っていることを相談するようにしてください。
専門家には守秘義務があるため人には話にくいような内容も相談できます。また、専門家同士の横のつながりもあるため、様々な状況に対して適切なアドバイスを受けることもできます。
また、認知症のご家族を持つ方が集まる家族会や医療機関の相談会などもうまく活用することが大切です。

あと、これは心情的になかなか難しいかもしれませんが、成年後見人としての仕事について報酬付与の申立てを行い、後見業務に対する対価としてのお金を受け取ることをお勧めします。
いくらご家族であっても、無償で業務を行っていると、「なんでタダでこんな大変なことを・・・」と人は考えてしまうものです。
成年後見制度の理念は、本人保護が基本となっていますが,本人意思の尊重もその理念とされています。本人保護のためにご家族が犠牲なってしまうことは、結果として本人の意思に反することになると考えられるため、成年後見制度の理念に反しているといえます。
本人だけでなく、ご家族も合わせて幸せな生活を送ることができるように、成年後見制度を活用してみてください。

インタビューを終えて

日常生活では、なかなかお会いをする機会がない司法書士の方ですが、成年後見人になったり、親族後見人のサポートを行ったりと、成年後見制度と密接な関係であるということが理解出来ました。
司法書士の方への相談は少々敷居が高く感じるかもしれませんが、初回の相談は無料という司法書士事務所もあるようですので、何かトラブルが起きた場合には、気軽に相談をしてみることをお勧めします。

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